六郷の家(秋田県美郷町/住宅改修)
六郷の家「可変性のある住宅リノベーション」
改修内容
築48年の増築が繰り返された2階建て木造住宅を平屋に減築。耐震補強を行い、耐震性能をIw=0.13から1.26に改善。既存基礎が無筋であったため、炭素繊維シートで補強しつつ、外周部の既存基礎については添え基礎を施した。湧き水のある敷地であるため、床下に湿気が溜まるのを防ぐため、防湿コンクリートを敷設。長期的な建物への影響を考慮し、敷地内に設計する水路は建物から話した位置とした。屋根を3方向に掛け直し、落雪を分散させる計画とした。
住まい手の変化に対応できる家
「可変性を重視した住まい」
注文住宅ではあるが住まい手が確定していないため、ライフスタイルや暮らしの変化に対応できるように可変性を重視し計画した。そのため間仕切り壁や扉を極力設けず最小限にとどめている。北東に配置した洋室は分割可能で人数の変化を想定している。寝室については収納部に扉は設けず、使い方の余地を残している。
「ライフスタイルの変化に対応する洋室」
洋室は、間仕切りを設けることで、家族数や収納量・ライフスタイルの変化に対応する事が可能になっている。介護が必要な状況になった場合、大開口建具を設置しつつ一室を大きく使うこともできる。
玄関可変について
住まい手のニーズに応じた利用を想定し、玄関部の土間を広めに確保することでフレキシブルな使用を想定している。ニュートラルな状態では、自転車を収納するなどライフスタイルに応じて家具や物を配置できる。
省エネルギー性を重視した改修
「断熱性能の底上げ」
断熱性能について現在の基準に適合するよう改修を行い、断熱等級6を達成した。外壁には不可断熱を行い、重鎮断熱と合わせて高性能グラスウール24kgt=210mmとし、屋根下の断熱はt315mm重鎮。既存の基礎構造を再利用するため気密性や施工性を考慮し、床暖熱は押出法ポリスチレンフォームt=100mmとした。窓にはトリプル樹脂サッシ、玄関戸は木製断熱ドアを採用。
所在地:秋田県美郷町
用途:住宅
支援内容:改修設計・リノベーション
木造(在来工法)平屋建て
敷地面接:516.82㎡
1階床面積:101.04㎡
延床面積:101.04㎡
竣工:2023年5月